研究内容

視覚刺激による疑似的「重み」感覚を利用した触感の定量化

触覚を与える手段として,指への摩擦刺激だけでなく,視覚的な刺激を与えることで擬似的な触覚(Pseudo-Haptic)を誘起させることが可能です.例えば,タブレット端末のディスプレイ上に表示された「●」のマークを指で動かすとき,「●」の動きに時間的な遅れ(応答時間)を生じさせると,「重い」という感覚が引き起こされると同時に,触感に対する力学的応答として指への押し付け荷重や摩擦などが変化します.すなわち,視覚的刺激により誘起された触感が摩擦抵抗や荷重などの指における力学的変化として現れ,「重い」という触感は入力される視覚的刺激と出力される力学的応答により定量的に表現できます.そこで本研究では,ディスプレイ応答時間の遅れなどの視覚的刺激を制御して任意の触感を与え,それに応じて生じる力学的変化から触感を定量化することを目的としています.