近年，カーボンニュートラルの実現のため，大型建設機械ギヤ部品の小型化に寄与する耐久性の向上が求められています．小型化に伴う接触面圧の上昇や潤滑油量の減少によりギヤ歯面に摩耗や焼付きが発生することから，耐摩耗性・耐焼付き性を向上させる固体潤滑膜などの機能性表面処理の適用が検討されています．一方，ギヤ歯面には潤滑油が使用されるため，油潤滑下における各種表面処理鋼の摩擦摩耗特性を明らかにする必要があります．本研究では，機能性表面処理された鋼表面における潤滑油添加剤からのトライボフィルムの形成過程とその摩擦摩耗特性の評価を行っています．